この数か月、AIを使ってアプリを作ったり、AIハッカソンに参加したりするようになって、以前は知らなかった言葉に次々と出会っている。
フロントエンド、バックエンド、CLI、API……。
そして、もう一つ。
LLM。
エル・エル・エム。
AIの話をしていると、当たり前のように出てくる言葉。
ChatGPTは使っている。Claude CodeやCodexも使っている。でも、そもそもLLMって何?
ChatGPTのこと? AIのこと? それとも、何か別のもの?
2回目のAIハッカソンに参加したとき、2人チームで進めたんだけど、チームメンバーが「何のLLMを使っているの?」と聞いてきた。
私は「分からない」と答えた。
正直に言うと、LLMという言葉の意味すら分かっていなかった。
ChatGPTに聞いてみたけれど、結局よく分からなかった。
翌日、ちょっと調べてみた。
何となく分かったような感じ。
そして、4回目のAIハッカソン。
Vietnam Japan AI Hackathon 2026も、2人のチームで進めている。
先日、一次審査に向けてチームのIdea Proposal(企画提案書)を作成し、提出した。
そこにも使用するLLMを記載する欄があって、チームメンバーが書いてくれていた。
Qwen、Gemini、Chat GPT。
ちなみに、Qwenという名前を見るのは初めてだった。
後ほど調べてみたら、Qwenは中国のAlibabaグループが開発しているAIモデルのシリーズらしい。
えっ、Alibaba!?
ここでちょっと驚いた。
私はAmazonで自分のブランドの商品を販売している。中国の工場にOEMで商品を作ってもらうこともある。
だから、Alibabaといえば、私にとっては商品を仕入れる場所。
そのAlibabaが、AIまで開発していたなんて!
全然知らなかった。
そして、そこで思い出したのがAmazon。
これも私にとっては、ずっと「商品を売る場所」だった。
でも、2か月ほど前にAWS(Amazon Web Services)のことを知った。
Amazonはネットショップだけじゃなく、クラウドサービスも提供していて、AI関連のサービスまで扱っているんだって。
これにも驚いた。
Alibabaは仕入れるところ。Amazonは売るところ。
私の中では、ずっとそういう存在だったのに。
AIを学び始めたら、今まで知らなかった企業の別の顔が見えてきた。
ECとAIって、思っていた以上につながっているんだね。
ちなみに、チームメンバーが書いてくれた「Qwen、Gemini、Chat GPT」にも、ちょっと面白い違いがある。
QwenはAIモデルのシリーズ。GeminiはAIモデルの名前でもあり、AIアプリの名前でもある。そしてChatGPTは、LLMそのものではなくAIサービスの名前。
なるほど。モデルとサービスは同じ意味じゃないのか。
じゃあ、そもそもLLMって何?
今回は、非エンジニアの私が「LLM」という言葉を初心者目線で整理してみるよ。
LLMって何の略?
LLMは、Large Language Model(大規模言語モデル)の略。
簡単に言うと、大量の文章やコードなどを使って学習し、人間の言葉を扱えるように作られたAIモデルのこと。
例えば、質問に答えたり、文章を書いたり、長い文章を要約したり、外国語に翻訳したり。
さらには、プログラムのコードを書くこともできる。
私が最近AIに頼んでいる作業も、かなりの部分がこうした能力を使っているんだね。
でも、どうやって文章を作っているんだろう?
大まかに言うと、LLMは入力された言葉や文脈をもとに、次に続く言葉の一部分(トークン)を予測し、それを積み重ねて文章を生成している。
ただし、単純に単語をつなげているだけ、というわけでもない。大規模な学習を通じて、言葉やコードに含まれる複雑なパターンを捉えられるようになっている。
それでも、人間と同じように理解したり、経験したりしているという意味ではないんだ。
ChatGPTとLLMは同じもの?
ここが最初に整理しておきたいところ。
ChatGPTとLLMは、同じ意味ではない。
ChatGPTは、私たちが画面から質問したり、相談したりできるAIサービス。
一方、LLMは、そのサービスの中核で言葉を処理するAIモデル。
例えば、こんなイメージ。
| 名前 | 何を指している? |
|---|---|
| LLM | 言葉やコードを処理・生成するAIモデル |
| GPT | OpenAIが開発するAIモデルの系列 |
| ChatGPT | GPTなどのモデルを利用して会話や作業ができるサービス |
| Claude | AnthropicのAIモデルや、それを利用するAIアシスタントの名称 |
| Claude Code | AIを使ってプログラム開発を支援するツール |
| Codex | OpenAIのAIコーディングエージェント |
つまり、私たちが普段触っているAIサービスやツールと、その内部で使われているLLMは、区別して考えると分かりやすい。
ChatGPTの画面で質問するのも、Claude Codeにプログラムを修正してもらうのも、LLMの能力を利用する方法の一つ。
ただし、サービスやツールには、LLM以外の機能も組み合わされている。
LLMは文章だけじゃなく、プログラムも書ける!
ここは、私にとって特に面白いところ。
私はエンジニアとして働いた経験はない。
でも最近は、Claude CodeやCodexなどのAIツールを使って、自分の仕事に必要なアプリやブログの仕組みを作っている。
例えば、Amazonの商品管理に関係するツールや、AIハッカソン情報を発信するHackooのサイト。
やりたいことを言葉で伝えて、AIにコードを書いてもらったり、修正してもらったりする。
もちろん、すべてをAIに任せっぱなしにしているわけじゃない。
実際に動くか確認したり、表示が違えば修正をお願いしたり、重要な変更は自分で承認したりする。
でも、以前の自分なら、プログラムを作るなんて考えもしなかったかもしれない。
言葉でお願いすると、コードまで作ってくれる。
最初にこれを体験したときの驚きは大きかった。
LLMは単に文章を書くだけの技術じゃないんだね。
LLMとAIエージェントは何が違うの?
これも最近よく聞く言葉。
AIエージェント(AI Agent)。
LLMとAIエージェントも、同じ意味ではない。
LLMは、文章を理解・生成したり、次に何をするか考えるために使われるAIモデル。
一方、AIエージェントは、目標に向かって複数の作業を進める仕組みのこと。
例えば、「このプログラムを修正して」と指示した場合。
LLMにコードの修正案を文章として出してもらうだけなら、そこで終わることもある。
でも、ツールを使えるAIエージェントなら、実際にファイルを読み、コードを変更し、テストを実行して、その結果を確認する、といった一連の作業を進められる。
もちろん、どこまで実行できるかは、そのエージェントの設計や与えられた権限によって違う。
そして、すべてのAIエージェントが必ずLLMを使っているわけではないけれど、LLMを判断や対話の中心に利用するAIエージェントは多い。
私も最近、こうしたAIエージェントの仕組みに興味を持っている。
単に質問に答えてくれるAIから、実際の仕事を進めてくれるAIへ。
ここが、今とても面白いと感じている部分なんだ。
AIハッカソンでLLMはどう使われる?
AIハッカソンでは、限られた時間の中でアイデアを形にする。
そのため、LLMを使ったアプリやAIエージェントを開発するチームもある。
例えば、ユーザーから質問を受け取って答えるアプリ。
入力された文章を整理して、必要な情報を取り出すツール。
あるいは、いくつかの作業を組み合わせて進めるAIエージェント。
私が参加しているVietnam Japan AI Hackathon 2026でも、ベトナム人AIエンジニアと2人で、Amazonセラー向けのAIエージェント「FrostLoop AI」に取り組んでいる。
技術的な実装は、基本的にチームメンバーが担当。
私はAmazonセラーとしての実務経験や、サービスの使い方、デザインなどに関わっている。
こんなふうに、LLMやAIエージェントを利用する開発でも、全員がAIモデルの仕組みを詳しく知っている必要はない。
実際の利用者が何に困っているのか、どんな画面なら使いやすいのか。
そういう視点も、プロダクトを作るうえでは重要なんだと思う。
でも、LLMの答えはいつも正しいわけじゃない
これは、実際にAIを使うときに忘れたくないこと。
LLMは、とても自然な文章を作る。
だから、読んでいると「正しいことを言っているんだろうな」と感じてしまうこともある。
でも、自信がありそうな文章でも、内容が間違っている場合がある。
事実ではない情報を、それらしく答えてしまう現象は「ハルシネーション」と呼ばれる。
また、LLMそのものが、いつでも最新ニュースを知っているわけでもない。
最新情報を調べるには検索機能などが必要になるし、重要な情報は信頼できる情報源で確認したい。
プログラムも同じ。
AIが「修正できました」と言っても、本当に正しく動くかは、テストして確かめる必要がある。
便利だからこそ、最後の確認は大事なんだよね。
LLMを詳しく知らなくても、AIを使って何か作れる?
私は、作れると思う。
もちろん、仕組みを理解している方が、より適切に使える場面は多い。
でも、最初から専門用語を全部覚えて、プログラミングもマスターして、それからAIを使い始めなければいけないわけじゃない。
私自身も、AIを使って何かを作りながら、知らない言葉を一つずつ調べているところ。
LLMも、その一つ。
使ってみる。
分からないことが出てくる。
調べる。
すると、前より少しだけ仕組みが分かってくる。
その繰り返し。
AIハッカソンへの参加も、それに似ている気がする。
全部理解してから始めるんじゃなくて、始めながら理解していく。
今の私は、そんな方法でAIの世界を楽しんでいる。
まだ知らない言葉もいっぱいあるけれど。
きっと次のハッカソンでも、また新しい言葉に出会うんだろうな!(笑)